2015年 09月 29日
在廊日におもう |

前回の個展在廊でのこと。
片口鉢というかなり初期から作り続けている作品がありまして、今回は多めの5色展開で展示させてもらっている。(写真は今回のものではありません)
いわゆる「片口」という性質上、注ぎ口があり酒を入れて注ぐ使い方が一般的ですが、あえて「鉢」をつけているのは、お客様の発想によってそれ以外の使い方を自由にしていただきたいと思ってのこと。
そんな片口鉢をこの在廊の日に、二組の外国人の方が購入くださいました。
そしてこの二組の方々は購入前に全く同じことを要求、実行し、納得されてからのお買い上げでした。
どうしたとおもいますか?
別に日本人が全くしない行為というわけではないのですが、僕自身が「はっ!」として何か再確認させてもらえた行為でした。
それは、気に入った片口鉢をセレクトしてそれら全てに水を張り実際に注いでみる行為でした。
もちろん、水切れが良いかのチェックが主な目的で。
そして、その中から納得したものを選んでいかれました。
例えば、欲しいと思った車に試乗もせず、ぐるっと一回り見ただけで買ってしまう人は多分いないと思います(あくまで個人的感覚ですが)。
お店の人なんかを気にして、チラッと試乗して買ってしまうことはあるかもしれません。私も気を使わないわけではないですが、本当なら一日くらいは貸して欲しいですよね(笑)
そう、高い買い物ですから!
そこなんですが、私が作ってるような何千円〜数万円のものであっても、そこに見た目だけではないクオリティーというものがやはり必要であるということ。
道具としての機能がなければならないということなんです。
なにも機能美いや、機能と美しさは量産ものであれ、一品ものであれ、工業工芸の枠を越えて求められていることは、何ら変わらないんです。
違うことといえば個人の価値観くらいでしょうか。
今回のお客様のお陰で、改めて思い起こし、気が引き締まりました。
購入するものが何であれ、バイヤーが良い意味でもっと厳しくなれば、いい加減な作品や商品は少なくなるのだろうか。
そしてこれは形あるものだけの問題でもないような気がしてならない。
by azz-yuki
| 2015-09-29 15:35
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